「お車代はどれくらい包むのが正解?」と不安になる新郎新婦はとても多いです。
遠方ゲストの交通費や宿泊費は金額も大きく、直前に慌てると失礼にもつながります。
本記事ではお車代の相場基準・実費の考え方・渡すタイミング・封筒や表書き・節約しつつ失礼にならない工夫まで、初めてでも迷わないように一気に解説します。
読み終えれば今日から準備が進められるはずです。
お車代とは?まず押さえる基本とマナー
お車代は、ゲストが結婚式に参列するために要した交通費の補助としてお渡しする心付けのことです。
必ずしも法律や絶対ルールがあるわけではありませんが、遠方から来る方や主賓・乾杯など役割のある方へ配慮するのが一般的なマナーです。
金額よりも「気持ちが届く運用」が大切で、事前確認と当日の段取りがポイントになります。
迷ったら、相手の負担・距離・役割の三要素で整理しましょう。
相場感は地域や世代で幅がありますが、後述の基準に沿えば大きな失礼にはなりません。
また、現金で渡す場合は新札を用意し、のし袋や封筒、表書きを整えると丁寧です。
金額が多額になるケースでは、事前のチケット手配や宿泊手配に切り替えると管理が楽になります。
まずは全体像を掴み、次に自分たちのゲストリストへ当てはめていきましょう。

相場の目安:距離・手段・年代・役割で決める考え方
最も迷うのが金額設定です。
一般的には「実費の半額」が最低ライン、社会人カップルや30代以降では「実費の全額負担」が基本という認識が広がっています。
たとえば新幹線や飛行機での移動はコストが高いため、全額を目安にすると安心です。
逆に学生や新社会人など、経済的に厳しい時期は半額でも失礼には当たりません。
役割の有無も重要です。
主賓挨拶・乾杯・受付・余興などの依頼をした方には手厚く、通常よりも上乗せするのが無難です。
また、親族は家単位でまとめる、友人は個別といった分け方もスムーズです。
「遠方×役割あり=全額」を基本式にし、例外は理由をメモしておきましょう。
実費とは何か:交通手段の把握と見積もりの取り方
実費は、ゲストが実際に支払う交通費総額を指します。
同じ距離でも、新幹線・飛行機・マイカー・高速バスで金額は大きく変わります。
事前に出発地と予定手段をさりげなく確認し、往復料金で見積もるのが基本です。
「長崎⇔広島は新幹線往復で約2.3万円」など、具体例を並べると判断が早くなります。
見積もりは、公式サイトの片道運賃×2で十分です。
繁忙期や早割の影響もありますが、原則は通常運賃ベースで統一すると不公平感が生まれにくいです。
車移動ではガソリン代+高速代を目安にし、駐車場代は会場で負担してあげると親切です。
不明点が多い場合は、一律額を設定して事前共有するのも有効です。
渡すタイミングと方法:受付・親族・会場スタッフの使い分け
渡すタイミングは大きく三択です。
①受付で渡す、②親族が式前に渡す、③会場スタッフ経由で渡す。
受付は手早い反面、混雑するとミスのリスクがあります。
親族経由は確実ですが動線の段取りが必要です。
会場スタッフ経由は、「本人へ直接は受け取りづらい」という方にも配慮できる方法です。
事前に担当プランナーへ趣旨と対象者リスト、封筒の本数を共有しておきます。
当日、誰が誰に渡すか曖昧な状態は事故の元なので、台帳でチェック欄を用意すると安心です。
迷ったら、主賓は親族または新郎新婦から直接、一般ゲストは受付が目安です。

封筒・表書き・新札:見た目の整え方で印象は決まる
お車代はのし袋(蝶結び)または白無地封筒に入れます。
表書きは「御車代」または「お車代」、下段に新郎新婦の姓名を記します。
中袋の金額は算用数字でOK、新札を用意し、向きは人物の顔が上にくるように揃えます。
複数名分をひと袋で渡すのは避け、必ず一人ひと袋にしましょう。
事前準備では、封筒・表書き・新札・対象者リスト・金額を一式ボックスにまとめると当日がスムーズです。
メモに「受付渡し/親族渡し/スタッフ渡し」を明記し、優先順位の高い順に並べておきます。
細部が整っているだけで、もらう側の印象は驚くほど良くなります。
最後にもう一度、名前と金額のダブルチェックを忘れずに。
チケット・宿泊の手配という選択肢:現金以外でスマートに負担軽減
金額が大きい場合や忙しいビジネスゲストには、事前に交通チケットを手配してお渡しする方法が便利です。
往復新幹線や航空券の手配を新郎新婦側が担えば、ゲストの事務負担も減らせます。
ホテル手配も同様で、会場近くを押さえるだけで遅刻リスクが下がり、二次会導線も整います。
領収書は念のため保管しておきましょう。
予算が厳しいときは、片道分だけ実費負担という運用も現実的です。
その際は、事前に率直に方針を共有し、お礼のメッセージを丁寧に添えると角が立ちません。
遠方かつ朝早い出発の方には、タクシー券や会場のシャトルバス案内も喜ばれます。
「負担軽減」と「気持ちが伝わる」バランスを意識しましょう。

ゲスト別の配慮:主賓・上司・親族・友人・妊婦や子連れゲスト
主賓や上司など役職者は、金額面を手厚くするだけでなく、動線と時間の配慮が重要です。
受付混雑を避けるため、親族から直接お渡しする段取りが安心です。
親族は家単位でまとまって行動するため、集合時間と受け渡し役を事前に共有しておきます。
友人は受付での受け渡しが最もスムーズです。
妊婦や子連れゲストには、会場最寄りからのタクシー券や、休憩スペースの案内を添えると喜ばれます。
二次会に参加しない方へは、帰路の時間や交通手段に合わせたサポートを用意すると「気が利く式」になります。
配慮のメモは台帳に残し、受付やスタッフにも共有して伝達ミスを防ぎましょう。
些細な気遣いが満足度を大きく左右します。
予算が足りないときの賢い工夫:失礼にならない節約術
全員に全額負担が難しい場合でも、失礼にならない工夫は可能です。
①片道分のみ実費負担にする、②早割・事前決済で交通費を圧縮する、③ホテルをまとめて押さえ団体割引を活用する、などが代表例です。
あわせて、引出物や席札メッセージを充実させると、金額以上に気持ちが伝わります。
大切なのは、方針を前もって丁寧に説明することです。
直前の方針変更は混乱とミスの元です。
最初に「誰へ、いくら、どの方法で渡すか」を確定し、台帳で管理しましょう。
不足が出たときに備えて、予備封筒と少額の新札を数組用意しておくと安心です。
余った分は二次会の交通費やタクシー券に回せます。
よくある失敗と防止策:チェックリストでゼロミス運用
ありがちな失敗は、対象者の入れ違い・金額間違い・渡し忘れの三つです。
これらはすべてチェックリストで回避可能です。
対象者名・金額・渡し方・渡した人・時刻の欄を作り、受け渡し時にチェックを入れます。
終了後に写真で控えを残すと、トラブル時の確認が容易です。
事前最終チェック
・新札の枚数は十分か。
・封筒と表書きは名前・金額含めて合っているか。
・渡す役割分担と動線は共有済みか。
・受付・親族・スタッフの連携は取れているか。
そのまま使える一言メッセージ例(封筒に添える・受付で伝える)
現金だけでなく、短い言葉を添えると受け取る側の印象がさらに良くなります。
以下はそのまま使える例です。
「本日はご遠方よりありがとうございます。
ささやかですが交通費の一部としてお納めください。」
「ご多用のところご出席いただき感謝申し上げます。
お帰りのご負担が少しでも軽くなれば幸いです。」
受付での声掛け例も準備しましょう。
「新郎新婦よりお車代をお預かりしています。
こちらでご確認ください。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。」
言葉の準備は心の準備。
台本を用意しておくと、当日の慌ただしさでもブレません。
ケース別シミュレーション:判断を早める具体例
ケースA(新幹線・主賓)…往復2万円台後半想定。
全額+α(5千円程度)で手厚く。
親族または新郎新婦から式前に直接お渡し。
メッセージカードを添える。
ケースB(飛行機・友人)…往復3〜5万円想定。
可能なら全額、難しければ片道分+宿泊手配で調整。
受付でスマートに受け渡し。
ケースC(自家用車・親族)…高速代とガソリン代を目安に。
会場駐車券とタクシー券で負担軽減。
まとめ
お車代は「金額の多寡」だけでなく、事前準備と渡し方の設計で満足度が決まります。
基本式=遠方は半額以上、30代以降は原則全額、役割ありは手厚くを軸に、交通手段と動線を具体化しましょう。
新札・封筒・表書き・台帳・渡し役の五点を整えれば、当日のミスはほぼ防げます。
「気持ちが伝わる」配慮で、ゲストにも記憶に残る良い一日になりますように。

